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2004.1・2月号 Monthly Review

2004.1・2月号Monthly Review
2004.1・2月号Monthly Review

異業種交流で新たなプリント技術を開発
共和染色工業

老舗の技術にデジタル発想を融合

1896年創業以来「引染」一筋にのれんを重ねてきた共和染色工業。引染とははけで生地を均一に染めたりぼかしたりする染色方法で、その良しあしが着物のできばえを左右するほど重要な役割を担っている。そんな老舗の技術が注目され大手音響設計事務所から「宝塚音楽学院の壁紙を染色して欲しい・・・」という話が舞い込んだのは、今から約六年前のことだった。劇場やコンサートホールで使用する壁紙はガラスクロスなど不燃性の素材でなければならない。しかし、ガラス繊維は水をはじく性質があるため、従来の染色技術では思うような色合いを表現することは難しかった。
 「既存の技術で無理なら、異業種交流で新しい染色が出来ないかと考えました」と早川専務。京都デジタルアーカイブ研究センターで知合った成形加工会社やベンチャー企業などと協同研究を行い、インクジェットプリンターを使ってガラスクロスに図柄をプリントする新技術を開発した。型代が不要なのでコストが安く、わずか1mからの少ロットにも対応できるのが魅力で壁紙だけでなくコースターやマットなどへの活用も期待されている。「染色のノウハウは確立できたので、今後は堅牢度の試験などを行って実用化を目指したい」と意気込みを見せる。

パソコンを活用して新しいデザインに挑戦
 早川さんは十年以上前から、パソコンを使った着物や小物のデザインに取り組んでいる。スキャナーやデジタルカメラで取り込んだ図柄をデータ化し、パソコン上で自由に色を組み合わせるというもので、友禅染めに欠かせない繊細なぼかし表現ができるようになったという。愛らしい猫がさまざまな楽器を演奏するオーケストラ柄の京友禅、色とりどりの自動車をデザインした子ども用の着物など、これまでの市場にはなかったユニークなデザインが注目を集めている。
 「新しいことばかりでなく、引染技術もきちんと次世代に伝えていきたいですね」。早川さんが所属する京都引染工業協同組合青年部では、設立三十周年を記念して引染の工程を画像として分かりやすくまとめたCD-ROMを制作した。こうした教材を使って、小学生や中学生に伝統技術の面白さ、大切さを知ってもらうのが夢なのだとか。伝統技術に最先端のデジタル発想を融合させた取り組みは、老舗店の多い京都にあって、一つのビジネスモデルとして期待が寄せられている。

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