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2003.2.18 京都新聞に掲載

2003.2.18京都新聞に掲載

日々に新た 老舗のいま 40
共和染色工業
先端技術と染色を結ぶ  伝統の技を残したい

パソコンで図柄を作成、引染の技術を生かしてクロスに印刷する
風の具合で染め上がりが違う。細やかな注意をしながの引染作業

着物の染色技術を生かして、ガラスクロスに色柄をつける。新しい発想による内装材 の商品化が、京友禅の引染業を営む共和染色工業の早川茂専務(三八)らによって薦められている。
不燃のガラスクロスは、音楽ホールや放送局などでよく使われている。しかし、繊維の性質上、絵柄を染めることが難しく、無地か織りばかり。「友禅のように染めることができないものか」。早川専務に相談が持ちかけられたのは五年前。友禅の技法でいろいろ試してみたがうまくいかない。研究を続けるうち、特別な染の前処理技術をもつ業者を紹介された。また、クロス用のインクジェットプリンターを持つ知り合い業者の協力も得ることができ、約半年前、試作品が出来た。
サンプルを見た京都工芸繊維大学大学院の濱田秦似教授は「大変面白い」という。濱田教授は、繊維強化プラスッチックを屏風に利用するなどの伝統産業を生かす研究をしている。「先端複合素材と染色が結びつくというのは京都でしかできない」と高く評価している。
共和染色工業は早川専務の父親、早川英二社長(六二)で六代目になる。早川社長は伝統工芸士の資格を持つ。引染は友禅の一工程だが、高度な技術がいる。しかし、近年は和装不振で技術者は減っている。「昔はいまの五倍以上の仕事があった。職人も色街の着物専門に染める腕のいい人とかがいたんだが」と早川社長。約三十年前の京都引染工業協同組合青年部の機関紙を見せてもらった。当時は五十一人もいた青年部は現在では九人という寂しさだ。
「着物が売れなくても、今のような時代だから仕方がないと思う。でも引染の技術は、他に応用することも考えて残したい」。早川専務は友禅染に欠かせない技術の継承に熱心だ。そうした思いで、伝統産業とデジタル技術の組み合わせを考える研究グループに参加、友禅の絵柄をデザインしたミズノの水着として実を結んだこともある。
「染色技術を残すには、着物業界の枠内だけで考えていては出来ない。着物から離れた見方、発想が必要」と早川専務は強調する。そのためには、「いろんな分野の人と交流して情報を得たい。ガラスクロスへの利用もその一つ」。染色技術に人一倍愛着を持つ。早川専務の伝統の技を残そうとするチャレンジが続く。
(編集委員 萬谷彰三)

(メモ)京都市中京区壬生相合町。創業明治29(1896)年。引染は手描友禅の意匠、下絵、糸目、糊置き、色挿し、蒸しなどに分かれた工程の一つ。最近はインクジェットプリンターで染めたオリジナル着物も製作。ホームページ(http://www.hikizome.com/)で引染の紹介もしている。

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